シェアハウス行脚、第3回目は、関西発のシングルマザー向けシェアハウス「モンプラースみなと」をご紹介します。
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○モンプラースってどんなところ?
大阪港駅から徒歩3分にあるシングルマザー向けシェアハウス・モンプラースは、2013年8月に開設された。現在、3組のシングルマザー世帯と単身女性の4世帯が暮らす。
もとオーナーズルームを利用したハウスは、共有スペースも充実していて、個室も広々としている。
6階、7階のフロアを階段で行き来できるメゾネット式、7LDKのハウスの間取りは、7階に個室2部屋とダイニングキッチン、くつろぎのスペースとしての8畳和室、風呂、シャワー室、便所があり、6階に、個室4部屋と便所、パウダールームがある。洗濯と物干しは7階のバルコニーに設置されている。風通しもよく、夜景も最高だというこのバルコニーは、時としてBBQ等のイベント会場にもなる。
図1 モンプラースみなと 図面
家賃は、38,000円から42,000円と部屋の規模によって異なる。これに、共益費・管理費として月11000円が加算される。入居時には、保証金として10,000円、事務手数料として10,800円が別途発生する。
一般的な母子世帯の生活レベルを勘案し、家賃は当初の予定価格から、採算ベースぎりぎりまで下げたとのこと。かなりお得な物件であることは間違いない。
共有のキッチン(棚や冷蔵庫内に部屋番号をふってトラブル回避)
共有の居間。奥にはバルコニーが
ダイニングスペース
広々とした個室
明るい浴室
○シングルマザー×シェアハウスの開設
菊竹オーナーは、不動産業会に勤めていたバックグラウンドを活かして、2008年よりシェアハウス運営をスタートした。2014年10月現在、モンプラースを含め13棟のハウスを管理・運営している。
開設当初は、若者、一時滞在中の外国人を対象にしていたのだが、そこにシングルマザーからの問い合わせが寄せられたことから、モンプラースの開設に踏み切ったという。
離婚を期に住むところを失うシングルマザーは多い。次の行き先を確保しようにも、まとまったお金がない。また、冷蔵庫、エアコン、食器に寝具など、ある程度の家財道具を揃えるとかなりの出費だ。シェアハウスであれば、即入居ができ、高額な一時金は不要な上に家財道具も揃っている。この点に魅力を感じて問い合わせをしてくるシングルマザーが多かったのかもしれないというのが菊竹オーナーの見立てだ。
○入居の不安あれこれ
入居者像は?との問いに、「僕の勘」と一言(笑)。「共同生活が苦手」や「生活時間帯が他の居住者と合わない」といったケースについては入居が難しいこともあるが、臨機応変に対応できることもあるとのこと。まずはご相談を!
続いて、シェアハウスを検討するシングルマザーが気にする物件の条件とは何だろうか。
「駅近、低家賃、ハードが良質という条件だけでシングルマザーは入居して来ない。生活する上で必要なインフラが整備されていないと生活が成り立たないですから。なんといっても気にされるのは育児の問題ですね。」というように、問い合わせの段階で、保育所の場所と空き状況、病児保育の状況、学童保育、小児科、救急病院の場所とその評判などをチェックするシングルマザーは多い。
シングルマザー×シェアハウスでネット検索するとモンプラースが上位にヒットする。そのため、問い合わせは全国から寄せられる。まだ、離婚が成立していない女性からの問い合わせも多い。
大阪に土地勘がなく、モンプラースにきて新たな生活をスタートさせようと考えている人や、まだ、これからシングルマザーになろうという人については、住宅を軸に新たな生活プランを総合的に描く必要がでてくる。
一般の不動産業者であれば、住まいを紹介すれば終わりだ。しかし、菊竹オーナーは、彼女らのニーズをもっと知ろうと、シングルマザーを集めたお茶会やお泊り会を開催したり、シングルマザーを支援するNPOとつながったりと、努力を重ねてきた。
共有スペースにはシングルマザー向けの情報がたくさん
シングルママさんたちを集めてのお茶会
「シングルマザーは単身者のように、身軽ではないことがわかった。十分に吟味して失敗のない入居を促すためのツールが必要」という思いから、体験入居システムも導入した。シングルマザーの懐具合を考慮して、体験入居は1泊1000円、2泊1500円と低価格だ。「ハウスに興味はあるけど、入居が不安」という方は、体験入居からはじめてみてはいかがだろうか。
また、シェアハウスでは人間関係のトラブルがつきもの。この点はどのように回避しているのだろうか。モンプラースでは、今のところ目立ったトラブルもなく、「それは今後の課題」としながらも、単身者向けハウスでの事例を教えてくれた。
以下、10のルールは全ハウス共通のものである。
・シェアハウス館内、部屋内禁煙。
・防犯のためシェアハウスの玄関の鍵は必ず閉める。
・電気やクーラーなどは部屋、リビングを出る時は消す。
・リビングに私物を置かない。
・食器等は使い終わったら洗って元に戻す。
・館内に異性を招くのは禁止。
・来客は21時まで。
・22時以降はTVの音量、話し声は小さくする。
・無断での来客宿泊禁止。
・シェアハウス館内、部屋内でのペット飼育は禁止。
いたってシンプルなルールであるが、これを守れない居住者もいる。ある程度は入居者の自治に任せながらも、介入すべきところはバッシッとしめるのが菊竹流だ。問題を起こした当事者には「また、同じ苦情が出れば退去」と宣告し、実際に退去に至ったケースもあるとのこと。
シェアハウスの円滑な運営は、「建物の管理の前に人間管理=コミュニケーションによる課題把握」という菊竹オーナー。ハウスの掃除を自らこなすなど、頻回に現地に足を運ぶ。
シェアハウスへの魅力を感じながらも、人間関係のトラブルに不安を抱えておられる方は、問い合わせの際に、じっくり相談してみてほしい。
○ハウスでの生活 それぞれが無理をしない緩やかな関係
筆者がハウスを訪れたのは、平日の夕刻。一組の世帯がダイニングで食事をとっていた。「熱下がったん?でもまだ鼻でてるなあ。今日も病院行ってきたん?」と入居者に声をかける菊竹オーナー。幼い子どもが熱を出し、不安になった母親がオーナーに相談の連絡を寄せていたようだ。
夏休みには、BBQにプール、流しそうめんに花火と盛りだくさんのイベントを開催した。塗料業者との協賛で、ハウスの壁にお絵かき大会をしたことも。
バルコニーでプール
みんなで流し素麺大会
居住者を集めての花火
また、ママさんたちの慰労にと、菊竹オーナー自らの運転でショッピングに出かけることもある。もちろん子守は菊竹オーナーが担当だ。また、子どもの運動会もハウスの重要な行事となった。
帰宅が遅くなる人に食事をつくってあげたり、手の空いた人がリビングで子守をしたりというゆるやかな助け合いは自然に発生し、ハウス内のチームワークも良好のようだ。
単身者向けハウスと比較して、シングルマザー向けのハウスは、集客や宣伝にもそれなりの手間がかかり、入居後のアフターケアも求められる。このため、採算ベースに乗せることはかなり難しい。実際に、開設から半年は入居者ゼロという苦難が続いた。
それでも、ハウスを継続させた理由を問うと「意地ですね(笑)」と一言。
「ハウスへのニーズは必ずあると信じてやっている。日本のシングルマザーは実家に頼ってなんとか生活している人が多い。でもそういったつながりが全くない人もいる。そこをサポートできるような場を実現したい」と意気込みを熱く語ってくれた。
【お問い合わせ先】
モンプラースみなと
http://sh-monplace.com/ (トップページにお問い合わせフォーム有)
TEL 0120-108-138(10時~20時)
MAIL info@sh-monplace.com
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