「ケア相互補完型集住」シェアカルテ9 郊外型シングルマザー向けシェアハウス、めぐみハウス東大竹Ⅰ

〇 ステップアップのためのシェアハウス

 シングルマザー向けシェアハウスは都心の利便性のよい地域に集中するという傾向がある中で、伊勢原市にある「めぐみハウス東大竹Ⅰ」は、郊外型のシェアハウスモデルとして期待される希少な事例である。

 伊勢原市は、厚木市、平塚市、秦野市に囲まれた神奈川県のちょうど真ん中に位置する。東京新宿からは小田急線でおおよそ1時間、横浜へも電車を乗り継ぎ50分という立地だ。駅から少し歩くと、野原や畑が多く残り、北西には大山がそびえる。そんな風光明媚な場所で、シングルマザー向けシェアハウスを運営するのは(株)めぐみ不動産コンサルティングの竹田恵子代表。代表もまた、2人のお子さんを育ててきたシングルマザーである。

 

 

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写真1 めぐみハウス外観

 

「離婚した当時。こんなハウスがあったら。こんな仕組みがあったら。とても心強かったはず。」そんな思いを具現化したのが、めぐみハウスなのだとか。不動産業に身を置いて十数年。住宅に困窮するたくさんのシングルマザーに出会ってきた。審査に漏れた母子の住宅探しに奔走したことも少なくない。

「いざこれからって時に、住宅すらないなんて悲しいじゃないですか。家があれば前を向ける。とにかく、多くのシングルマザーにハウスを利用して頂きステップアップしてほしい。そんな願いを込めてハウスを開設しました。」とその意気込みを語ってくれた。

ハウスは小田急線伊勢原駅から徒歩10分の住宅街の中にある。

2016年、長年勤めた不動産業者を退職し、晴れて独立を果たした竹田代表。独立したら、長年の夢であったシェアハウスを開設しようと心に決めていた。その夢の一端を周囲に語ってから数カ月、「シェアハウスにどうか」と、うまい具合に空き物件を紹介された。

 

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写真2 バリから取り寄せた家具を配置したリビング

 

その物件は木造2階建てのもと二世帯住宅。広々としたリビングにキッチンや風呂が2カ所ずつ。更に、トイレは3カ所もある。何より居室が9室とシェアハウスにはうってつけの物件だった。そこからとんとん拍子に話が進み、20169月、「めぐみハウス東大竹Ⅰ」を開設する運びとなった。 

〇めぐみハウスの仕組み

 定員は8世帯。玄関横にある8畳の和室は多目的室として開放することにした。居室は4.5畳から8畳まで幅広く、それにより家賃も36000円から45000円と幅を持たせている。共益費は13000円。入居時には30000円の保証金が必要であるが、保証人は不要だ。

 

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図面1 めぐみハウス1Fの間取り

 

 

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図面2 めぐみハウス2F間取り

 

 めぐみハウスの特徴は、単身の女性も受けいれている点である。シングルの女性が加わることで、人間関係やそこでの話題に広がりがでるのではと期待してのことだった。

 開設からおよそ1カ月。現在、入居者は単身の女性が1人。シェアハウス経験のある彼女は、伊勢原市周辺には珍しい女性向けシェアハウスの情報を聞きつけ、即座に入居を決めたのだとか。もちろん、シングルマザーからの問い合わせもある。内見予約もいくつか入っているとのことから、クリスマス時期には、ハウスではしゃぐ子どもたちの姿が見られるかもしれない。

他方、課題は就労先の確保だ。伊勢原市周辺の雇用条件はそれほど良くはないが、介護や看護系の求人は多い。今後、関連機関と連携しながら、就職斡旋なども視野に入れていくとのことである。

ハウスの開設にあたり、いくつかのシェアハウス事業者をめぐり、その知識を深めてきたという竹田代表。今年度からは(一社)日本シェアハウス協会の女性応援事業開発部会長に就任した。よりよいシェアハウス運営のためにすべきことは何か。試行錯誤を繰り返し、「ワークシェア制度」なるものを導入した。

 ワークシェアとは居住者自身がハウス運営を行う仕組みのことで、めぐみハウスでは、①共用部の清掃等を担う「クリーンマネージャー」、②共用部のタオル等の洗濯や管理などを担う「ランドリーマネージャー」、③ハウス内のゴミの分別等を担う「エコマネージャー」、④共用部の消耗品の購入や交換、補充を担当する「アカウントマネージャー」、⑤定例会議や各種イベントの企画運営を行う「イベントマネージャー」といった5つの役割を居住者に割り当てる。担当者には、実働した分を家賃の減免と言う形で還元する方針だ。

 

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写真3 話題の家電製品が揃うキッチン

 

 「やはり一般の物件とは異なり、シェアハウスの管理運営には手間と時間がかかります。少人数で十分な対応をすることは難しい。かといって不衛生なハウス環境を提供するのも本意ではありません。そこを少し居住者さんにお手伝い頂ければ」という思いからこの仕組みにたどり着いたのだとか。

 このほか、多目的室の用途についても面白い試みが生まれそうである。

「入居問い合わせの中には、ヨガのインストラクターや子ども向け英語教室をしているという人もおられて。是非、そういう方に教室として利用していただければとも思っています。もちろん、地域に開いた飲み会なども開催したい。いろいろ夢は広がります。」とのこと。これが実現すれば、ハウス居住者と地域住民とのかかわりも増え、人間関係もより広がりを見せると予測される。

 

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写真4 8畳の多目的室。ここで面白い交流が生まれそう。

 

 

〇 めぐみハウスの良さを知ってほしい。

今後の展開は?「まず、入居者を増やすこと。」とのこと。将来的には、「2棟目、3棟目のめぐみハウスを開設すること」とも。伊勢原市を含むその周辺地域では、シェアハウスの数がまだまだ少ない。シェアハウスの良さを知ってもらうために、シングルマザー向け以外にも、多様なタイプのハウスを開設したいとの希望もある。

 

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写真5 居室の様子

 

 入居募集要項にあるルールや規定を見て、要件を満たしていないとあきらめず、まずは、何でも相談してほしいと竹田代表。

 根っからの世話好きオーラをまとう竹田代表。「本当に、人と関わる事が大好きなんです。困った人がいたら放っておけない」と笑う。 

 筆者が訪れたのは、平日の夕方。その日の午前中は、物件紹介をした88歳のご老人に付き添い、役所に手続きに出向いていたのだとか。

 「転居するって、様々な手続きがいるんですよ。先日、物件を紹介したおばあちゃんからこれはどうしたらいい。これはどこの課に連絡するんだって。たびたび連絡がきて。結局、私が同行しますって言っちゃって。だって放っておけないじゃないですか。88歳ですよ!」と少し嬉しそう。

インタビュー中もひっきりなしに、地域の人たちから相談電話が。また、事務所前に立ち止まるお年寄りがいれば、「どうしたの?」と笑顔で話しかける。それがとても自然でこちらまで嬉しくなる。

彼女と話しているうちに、「この人なら、なんとかしてくれるかもしれない。」そんな感覚に陥るのは私だけではないはず。めぐみハウスにご興味を持たれた方。是非、竹田代表に連絡してみてほしい。

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〇問い合わせ

株式会社 めぐみ不動産コンサルティング(竹田 恵子)

住所:〒259-1133 神奈川県伊勢原市東大竹945-3-101

TEL 0463-95-2667  FAX0463-95-2668

携帯 090-4433-3431

E-mail:info@megumi-fc.com

HP :  http://www.megumi-fc.com/index.html

 

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