「ノーマライゼーション」という言葉にあるように、どういう状態に置かれても、特殊な個人や世帯と位置付けられず、それぞれの地域でそれぞれが望む、ふつうのくらしや生活が保障される国、デンマークにまなびつつ、日本の実情や問題点を浮き彫りにする構成となっています。
本著は、主に、デンマークと日本のDV被害者支援比較を行っています。
日本では、2001年にDV法が施行されて、その相談保護が行政の責務とされました。これにより、被害者の保護がかなり厳重なものとなっている事実があります。確かに、昨日発生したストーカー殺人事件等を勘案すると、行政の対応としてはそうならざるを得ない部分もあるのかもしれません。
しかし、現実的には、一時保護中の被害者は施設から自由な外出は禁止され、外部との接触をもたたなければなりません。また、通勤や通学も禁止されるため、長年培ってきたキャリアややっと確保した仕事などを捨てて逃避しなくてはならないケースがほとんどなのです。また、あそびたい盛りの子どもの外遊びも禁止されることも珍しくありません。
「やっと暴力の生活から解放されて、なぜ、刑務所のような生活を強いられなければならないのか。拘束されるべきは加害者ではないのか」とその理不尽さを訴える声も少なくありません。
一方デンマークでは、たとえ、保護期間であったも、通勤ができ、通学ができます。また、来訪者を受け入れることも自分が自由に外出することも許可されています。
デンマークの支援者は「どこにいても私たちは普通のくらしが保障されているのよ」と言います。では、どうやってこういったふつうの暮らしを保障しているのか。本書は、そのあたりを解きほぐす内容となっています。
同伴児童へのメンタルケア、シェルター退所後の住宅支援、各シェルターの取り組みなど、色とりどりの写真を交えて概説しています。
また、DV問題の正しい知識やデートDV問題等、教育現場での取り組みも織り交ぜています。このほか、乳児期から青年期にかけての教育プログラムについて体系的に整理した部分も魅力的な仕上がりになっています。
書き手には、日本の民間シェルタースタッフや行政関係者、デンマークからはロスキレ大学研究者が最新のDV事情も寄稿してくださっています。
ぜひぜひ、読んでみてください!

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あたりまえの暮らしを保障するデンマークチラシ

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