「ケア補完型集住」シェアハウスカルテNo3  生活の安定はまず、住まいの確保から―お母さんと子どものためのシェアハウス“Mother leaf”―

Mother leafは、朝霞駅から徒歩20分弱(バス停利用時10分)にある。2014年4月に開設された、できたてほやほやのハウスだ。 静かな住宅街の中にある木造3階建てのハウスの定員は5世帯。2014年11月現在、3世帯が共同生活をしている。 一階には、バス・トイレとシャワールーム、共有スペースとしての8畳の和室、そして6畳の個室がある。ダイニングキッチンは2階にあり、その奥に、6畳の個室2部屋とトイレ、3階には、6畳と7畳の個室がある。ネット環境は完備されており、共有のパソコンも準備されている。 居間

写真1 1階にある共有の居間

ハウス開設にあたり、内装リフォームを行い、シャワーブースも新たに増設した。入居者が気持ちよく、明るく過ごせるようにと、カーテンや壁紙にもこだわっている。

個室1 個室2 写真2 個室は、テーマに併せて、壁紙とカーテンをチョイス

家賃は5万5千円から6万5千円まで幅があり、和室か洋室か、階数、ベランダの有無、日当たりなどを勘案して設定されている。管理費は月2万円。このほか、入居時の保証金として1万5千円が発生する。同伴児童1名までは無料、2名からは1人につき5千円を加算している。また、保証人は不要だ。 キッチン ダイニング

写真3 広々としたキッチンとダイニング

不動産業界に身を置く小山オーナーは、以前から、空き家を利用して、自ら実業したいと考えていたという。その中で、近年、ブームとなりつつあるシェアハウスに目をつけた。入居者像を選定していく中で、離婚により急な住宅の確保に迫られ、かつ、育児と仕事の両立に苦労するシングルマザーにとって、シェアハウスは最適ではないかと考えた。そこから、シングルマザーに関する知識を深めようと、あらゆる情報をかき集めた。

「シングルマザーの貧困な経済状況には正直びっくりしました」と小山オーナー。 その上で、なぜ、シングルマザーをターゲットにしたのだろうか。民間事業者として、貧困なグループを店子にすることに抵抗はなかったのか。 これに対して小山オーナーは「若者や高齢者向けの物件は数多く存在するけど、シングルマザーをターゲットにした物件はまだまだ少ない。シングルマザーには必ず子どもがついてくる。子どもは環境を選べません。参入するならこれからの人を育てる分野ではないかと思った」と熱い思いを語ってくれた。

開設後、いくつかの媒体にハウスの情報を掲載すると、すぐに問い合わせがあった。いずれも、「今、すぐに入居できるか?」という切迫したシングルマザーからの連絡であった。生後まもない子どもを連れて、深夜に「最寄り駅にいる」との連絡が入り、そのまま入居に至ったケースもある。行き場のない、子連れの妊婦を受け入れたこともある。また、問い合わせてくる女性の多くが何らかのドメスティック・バイオレンス被害を受けているということもわかってきた。

「本来であれば、生活に困窮し、行き場を失った母子の支援は公の役割であるのではないか」と小山オーナーは首をかしげる。しかし、「驚くほどお金のない母子」からの問い合わせは全国から寄せられる。 「頼る実家があって、経済的に余裕がある人が問い合わせてくることは少ない。ということは、やはり、そこ(困窮する母子)に市場がある」というのが、小山オーナーの見解だ。しかし、貧困層をターゲットとして、どのように経営を成り立たせるかが大きな課題となる。

従来の不動産業者のように、就労状況や年収を入居条件にしてしまえば、ハウスに興味を持つお客さんのほとんどを取りこぼすことになる。 「仕事、保育所を探すにしても、生活保護を受給するにしても、住まい(住所)が必要となることがわかった。まずは、落ち着いて、生活を立て直してもらうことが重要。そこから、長く住んでもらうことで採算が合えば・・・」といった戦略に切り替えた。

経済的に困窮するケースに対しては、長期契約(2年契約)をする場合のみ、家賃のあと払いや初期費用の分割支払いにも相談に応じる。更に、2014年8月からは、長期契約者に限り、家賃が最大5か月無料になるキャンペーンも開始した。今後は、生活保護を受給するシングルマザーも積極的に受け入れていくつもりだ。   「入所時には、生活保護に頼っても、ハウスをステップとして、生活環境を整えて、いずれは就職して自活してもらうことが最終目標。そのためには、シングルマザーを支援するあらゆる機関との連携が必要となってくる」と小山オーナーは続ける。   もう一つの課題は、DV被害を受けたシングルマザーへの対応だ。パートナーから逃避した被害女性の多くが、貧困のため、住宅を確保することができない。更に、なんとか住宅を確保しても、加害者からの追跡におびえ、地域から孤立してしまうという問題もある。

筆者の調査でも、「誰かとかかわりたい、話がしたい」と漏らす被害者はとても多かった。こういった意味において、即日入居ができ、誰かとかかわり合いながら住まえるシェアハウスは、DV被害女性にとって有効なツールではないだろうか。

小山オーナーは、DV被害女性にもハウスを利用してもらおうと、行政や市民団体に働きかけていこうと準備中だ。 課題を抱えるシングルマザーを抱え込んでしまうのではなく、地域とともに支えていくことが重要という思いから、埼玉県の共助の取組マッチング事業[i]にも登録した。(詳しい事業内容については、注1を参照されたい)。更に、シェアハウスを始める前は全く接点のなかった男女共同参画センターともつながりができた。今後は、こういった関係機関や行政と連携しつつ、困窮するシングルマザーを総合的に支援していくことが目標とのことだ。

2014年7月22日取材終了。

[i] http://www.saitamaken-npo.net/html/kyoujyo/kyojo_matching/gaiyo.htmlによると、地域の課題解決を図ろうとするNPOや自治会などと、スキルや人生経験を活かして社会貢献したい専門家をつなぎ、さらに、助成金や寄附、融資など活動資金もつなぐことで、共助の取組を推進する仕組みをつくるというものである。   ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 【お問い合わせ先】   株式会社ディアライツ TEL:03-6869-9820 http://dearlights.net/   「シングルマザーシェアハウス」で検索! お急ぎの方:080-1309-8188まで!

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